両面テープは接着するために用いるテープで、剥がれ防止のためにも隅々までピッタリと貼られているのが理想的です。しかし隅々までないほうがいい場合もあるのです。


例えば部品などを固定するためのリム(枠)状の両面テープや、凹部へ両面テープを落とし込む必要があるときなど。場合によっては、両面テープが被着面よりわずかに小さいほうが作業性が良いことがあります。

このような「ケース」の中に両面テープを落とし込もうとすると、その粘着剤の端面がケースに貼り付き、作業性が悪いだけでなく不良の原因にもなっていました。


シートを裏返して見ると、台紙の隅々まで両面テープがあるからで、これは粘着剤の特性として流動性があるために起こる不具合で、以前は避けられないものでした。



そこで考えられたのが、台紙の端面をコンマ数ミリだけ残してその内側だけに両面テープを貼る技術。こうすれば「ケース」の壁に張り付かずに底まで落とし込むことができます。


実際には内側と外側の打ち抜きサイズをコンマ数ミリだけずらして打ち抜き、外側を剥がし取る方法で製造しています。

しかしこれを実現するには大変高度な加工精度が要求されます。わずかな位置ずれが、このコンマ数ミリを実現してくれなくなります。すべての製品に安定したコンマ数ミリを作り出すためには、位置ずれを起こさせない高い精度の位置合わせが必要です。

三協シール印刷株式会社では、誤差をゼロにする技術をこれに応用し、クリーンルーム内で人の手を介さずに、高精度な加工を連続的に行い、この製品を製造しています。


また様々な材質に対応できるよう、常に研究を重ね、特に両面テープの材質に関しては、困難だといわれている軟質の両面テープ、防水用両面テープでもこの技術の成功例があります。また、この技術は単に枠の中に両面テープを収めるためだけにとどまらず、寸法制度が厳しい製品の組み立てに幅広く応用できます。このようなお客様のご要望に素早くお応えするために、これからも技術開発に注力してまいります。


これら特殊精密打抜き加工品に関するご質問は、お気軽に弊社までお問い合わせください。
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