糊。つまり粘着剤は、シールにはなくてはならないもの。しかし一部分に粘着がないシールがあったら...。そこから様々な発想が生まれます。

印刷用のシール原紙は専門工場で製造されます。表面基材に粘着剤を塗布し、乾燥路で乾燥させ、セパレーターと呼ばれる離型紙に貼り合わされます。その原紙の幅は1〜1.5mもあり、それをスリッターと呼ばれる機械で必要な幅にロール状に切って印刷機にかけます。

一部分に粘着剤がないシールは、この塗工の段階で部分的に塗布させないようにして作る、部分塗布という方法が一般的でした。ところがこの方法ですと1〜1.5m分の材料全てを利用しなければならず、小ロットのシールには向きませんでした。

ところが三協シール印刷株式会社で得意とし、最近ではよく知られるようになって来た方法、いわゆる「糊殺し」と呼ばれる方法は、全面に粘着剤が塗布された一般的な材料の一部分に特殊な処理を施して、粘着剤が働かなくなるようにする方法です。この特徴は、価格的に安い一般の材料を使い、数量に制限をつけなくてすむということ、また糊を殺す部分の形状を自由に決めることができるため、設計上の自由度が高いことなど様々です。

一般的に皆様がこの技術を使って作られたシールを目にするのは、コンビニやスーパーなどの陳列棚ではないでしょうか。化粧品容器や、飲料のペットボトルの上の方に目立つように貼られたラベル。これは飛び出した部分の粘着剤が殺されていることで、お客様が剥がし易くなっています。

その他でも、特に弊社の特殊印刷、特殊精密打抜き加工の技術と組み合わせることで、様々な用途が考えられます。


たとえば一度貼ったラベルをいずれ剥がすとわかっている場合には、タブ(つまみ)があると便利ですが、そのタブが糊殺しされていると、さらに便利です。またこのラベルを貼り付ける際にも糊殺しされたタブがあるととても貼り付けやすくなります。


さらに、被着体(ラベルを貼り付ける部分)の一部に粘着が付着したくない部分がある場合には、その部分を糊殺しすることで使いやすくなったり見栄えがよくなったりします。たとえばこの部分に穴が開いているとしましょう。そうすると粘着が残ったままですと、裏側からほこりなどが付着し、見栄えが悪いなどということがありますが、こういった場合などでも非常に有効です。

糊殺しは部分的に粘着剤を消滅させてしまうわけではありません。削り取るわけでもありません。粘着剤の上に特殊な印刷を施すことで幕を作り、粘着の効力をなくしてしまう方法です。それにはどのようなインク、あるいは添加剤を使用するかなど、素材や粘着剤によって、あるいは使用用途によって様々な手法があります。場合によっては完全に糊を殺せない場合もあります。しかし長年糊殺しを経験してきた三協シール印刷株式会社では、そのあたりの事例が数多く存在し、お客様のご要望に対して常に最適なご提案をさせていただきます。

この技術を用いることにより、電子機器へのシート部品としてや、製造過程での部品の固定用、またいったんは表示目的で貼付し、その後剥がす必要のあるラベルなども、この処理をしておけば剥がしやすくなります。発想次第で応用範囲は無限大に広がる事となります。

三協シール印刷株式会社は、この製造方法については長い経験を持ち、その経験から様々な用途についてのご提案も積極的にさせていただきます。まずは弊社まで、お気軽にお問い合わせください。

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